本場フィンランドで学んだ、薪ストーブエンジニアとしての“原点”

2025年8月9日

こんにちは。
代表の佐藤哲郎です。

薪ストーブエンジニアとして本物を届けたい──その想いから、私はサウナの本場フィンランドを訪れました。
現地12施設を視察し、日本と異なる“火と暮らし”の距離感に衝撃を受けました。
ストーブは熱源ではなく、人と空間をつなぐ装置。そんな“人に寄り添う火”を、日本の文化と暮らしに合う形で届けていきます。

本場フィンランドで学んだ、薪ストーブエンジニアとしての“原点”

Dr.Craft代表 佐藤哲郎 サウナ視察レポート

2024年6月、私はフィンランドを訪れ、サウナ文化の“本質”をこの目で見てきました。

『なぜ、薪ストーブ屋がわざわざフィンランドへ?』

と思われるかもしれません。
でも私は、“本物”をつくるには“本場”を見るしかないと思ったのです。

サウナ薪ストーブのお引き合いをいただく中で、フィンランドの話が挙がります。
私の方からフィンランドでは~の件をお話しましたが、どれも2次情報で他の方から聞いた話をお話しました。
ところが、そのようなことをしているうちに

『自分は本当のことを話しているのだろうか?』

と、自分自身に疑問を持つようになりました。

なんでもそうですが、私の性格からして自分の目で確かめないと気が済まないので、それならいっそのこと本物を自分の目で確かめようと思い、フィンランドに旅立つ決意をしました。

※ちなみに、この視察の資金はCAMPFIREさんでとても熱い方々からご支援いただきました。規模は小さくても119%達成しました。ご支援いただいた方々には心から感謝申し上げます。

フィンランドで見た“火と暮らし”の距離感

フィンランドでは、サウナは特別でもあり、日常でもある存在です。

  • 街の中に自然に溶け込む公衆サウナ

  • 白樺の葉(ヴィヒタ)を使った儀式的なロウリュ

  • 湖へ飛び込む、水風呂ではない“自然との一体化”

上記がとても印象に残りました。

日本との違いは?温度だけじゃない“文化の深さ”

日本のサウナフィンランドのサウナ
高温・低湿で90℃以上が主流65〜75℃前後で湿度が高め
ルールやマナーが厳しいラフで自由な雰囲気
整うが目的化語らい、癒し、自然との一体感
ロウリュはゆっくり水をかけるロウリュは水をぶっかける
サウナは「施設」サウナは風呂のようにどこにでもある
「もっと自由で、もっと人間的でいい」
これが、現地で私が感じた素直な印象です。 
これ以降、私が視察したサウナをご紹介します。

実際に視察したサウナ

カカーンサウナ(ユバスキュラ)|電気・65℃

湖湖の泥を使ったピートパックが印象的なサウナ。
一言: サウナが“癒し”として成立している。熱さよりも包まれるような感覚が新鮮だった。

サウナキュラ(ヤムサ)|スモーク・85℃

地域の人たちが手づくり・自主管理しているサウナ。
一言: ストーブが“暮らしの中心”にある姿に感動。DIYサウナ文化の根っこを見た。

ラプ・カルタノ(マンッタ)|薪・80℃

宿泊施設に併設されたサウナで、オーナーが自作。
一言: 自分の手でつくること”自体が、体験価値になると気づいた。

セルラキウス(マンッタ)|電気・75℃

美術館が運営する、静かで洗練されたサウナ。
一言: サウナがアートと融合していた。ストーブにも美しさと空間演出が求められる。

ボートサウナ(タンペレ)|薪・80℃

湖に浮かぶサウナ。BBQや飛び込みも楽しめる。
一言: 設置条件を飛び越えた“自由すぎる発想”にやられた。薪ストーブはもっと遊べる。

ウハニエミ・サウナ(タンペレ)|薪・ガス・65~85℃

3つの温度帯のサウナと湖ダイブができる公衆サウナ。
一言: サウナのバリエーションが体験の幅を広げていた。選べる火、って大事だと思った。

ラップランドホテル(タンペレ)|電気

宿泊者用に部屋にも大浴場にもサウナがある。
一言: “自分のペースで入れる”贅沢。小さな空間にも薪ストーブの価値があると感じた。

サウナラヴィントラ・クーマ(タンペレ)|スモーク・薪・75℃

カフェ併設の都会型サウナ。観光客も多い。
一言: 日常にサウナがある風景。都市でも薪のある暮らしは成立すると実感した。

ラヤポルティ・サウナ(タンペレ)|薪・85℃

世界最古の現存サウナ。土壁と薪で作られた空間。
一言: ストーブの構造と石の積み方で熱がまるで違う。まさに“火の設計”だった。

ウォッカ村のサウナ施設(コスケンコルヴァ)|薪・65〜75℃

伝統衣装とセレモニー付きの文化的なサウナ体験。
一言: 火が単なる熱源ではなく“儀式”の一部になっていた。ストーブが文化を支えていた。

ロウリュ(ヘルシンキ)|電気・薪・65〜95℃

都会型サウナの代表格。バルト海に飛び込める。
一言: ハイスペックな設備でも“火”の本質は変わらない。柔らかい熱が印象的だった。

ホテル ランタプイスト(ヘルシンキ)|電気・75℃

海を望むホテルのサウナ。宿泊者専用。
一言: 火が“静かな贅沢”として存在していた。生活に寄り添うストーブってこういうこと。

ストーブは“熱源”ではなく、“場をつくる装置”

今回の視察で感じたことは以下のとおりです。

  1. フィンランドを良さを取り入れつつ、日本の文化にあった薪ストーブを作れるのは私たちのような小さなストーブメーカーである
  2. ストーブはただ熱を出す機械じゃない。「空間」や「感情」を生み出す装置である

と言うことです。

フィンランドではHarvia、Narvi、ikiと言った本国のストーブメーカーが多かったです。
当然ですよね。

特にNarviと言うストーブメーカーは世界的なメーカーであるにも関わらず、顧客の要望を受けてカスタムストーブを特注で製造しています。
大きなメーカーがこのようなことをやっているのであれば、私たちのような中小零細企業ができないわけがありません。
むしろ最も得意としています。

サウナ空間を構成する要素はいくつもあり、熱源である薪ストーブはその中の一部です。
しかし、今回の視察でサウナのオーナー様にヒアリングしたところ、ストーブに対しては特別なこだわりをお持ちでした。
これは、日本のサウナオーナーにも同じことが見受けられます。
そこでオーナー様の想いを汲み取り

  • 日本のサウナに適した構造設計
  • メンテナンス性に長けた構造
  • “人に寄り添う火”のデザイン

を追求し、ただの熱源ではない、サウナ薪ストーブを目指しています。

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