こんにちは。
代表の佐藤哲郎です。
薪の乾燥度は数字で判断!含水率計で失敗しない薪ストーブライフ
乾燥薪の基準は含水率20%以下。燃焼効率と安全性を高めるための測定方法と選び方
薪ストーブを快適に、安全に使うためには、「薪の乾燥度」がとても重要です。
含水率が高い薪は燃えにくく、煙やタールが多く発生し、燃費や安全性にも悪影響を及ぼします。
よく「乾燥した薪を使いましょう」と言われますが、その“乾燥”の基準を数字で説明できる人は意外と少ないものです。
実は、乾燥薪の定義は含水率20%以下。感覚や見た目ではなく、数字で判断することが大切です。
そこで今回は、誰でも簡単に薪の含水率を測定できる「含水率計」を使ったチェック方法をご紹介します。
あわせて、薪ストーブユーザーにおすすめの含水率計もピックアップしました。
これを読めば、今日からあなたも“数字で薪を選べる”ようになります。
①薪の乾燥が重要な理由
薪ストーブの燃焼効率や安全性は、薪の乾燥状態で大きく変わります。
一見するとしっかり割られた薪でも、内部に水分が多く残っていることは珍しくありません。
1. 燃焼効率の低下
含水率が高い薪は、燃やす前に水分を蒸発させるための熱エネルギーが使われます。
その結果、炎の温度が上がらず、部屋がなかなか暖まらないだけでなく、薪の消費量も増えます。
例えば含水率40%の薪は、乾燥薪と比べて発熱量が約半分にまで落ちると言われています。
2. 煙・タール・クレオソートの発生
水分が多い薪は完全燃焼しにくく、白い煙や未燃焼ガスが多く発生します。
これらが煙突内部で冷やされるとタールやクレオソートとなって付着し、煙突火災の原因になります。
特に長い煙突や外気温の低い地域では、このリスクが高まります。
3. ストーブ本体への悪影響
不完全燃焼が続くと、ストーブ内部の温度が低く保たれ、燃焼室やガラスにススが溜まりやすくなります。
結果として見た目も悪くなり、メンテナンスの手間やコストも増えます。
②「乾燥した薪を使え」と言われても基準が分からないあなたへ
薪ストーブを使っていると、必ず耳にするのが「乾燥した薪を使いましょう」というアドバイス。
しかし、この“乾燥”という言葉の基準を、数字で説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。
よくある判断方法として、
薪が軽くなっている
叩くとカンカンと乾いた音がする
切り口にヒビが入っている
といった目安があります。確かに参考にはなりますが、これはあくまで感覚的な判断です。
薪の樹種や割った大きさ、保管環境によって乾燥の進み方は大きく変わるため、「見た目は乾いていても実はまだ水分が多い」ということも珍しくありません。
実際、乾燥薪の国際的な基準は含水率20%以下です。
含水率が20%を超えると燃焼効率は落ち、煙やタールの発生リスクが一気に高まります。
つまり、本当に“乾燥している”かどうかを判断するには、感覚ではなく数字で測ることが大切です。
そのために活躍するのが、誰でも簡単に使える含水率計です。
③誰もが分かる乾燥した薪の判断方法(含水率計)
薪の乾燥状態を数字で確かめる一番確実な方法は、「含水率計」を使うことです。
含水率とは、薪の中に含まれる水分の割合のこと。薪ストーブの燃焼に適しているのは 含水率20%以下 とされています。
含水率計の使い方
- 薪の中ほどにピンをしっかり刺す
- 数値が安定するまで数秒待つ
- 複数本の薪で測って平均値を出す
実際に測った例がこちらです。
- 写真1:38%(乾燥不足)
- 写真2:25%(まだやや湿っている)
- 写真3:19%(乾燥OK!)
プロのコツ:「皮」を測る
一見すると、細い薪は早く乾燥しそうに思えます。
しかし実際には、皮に覆われていることで内部の水分が残っていることが多いんです。
そこでおすすめなのが、皮に含水率計を刺す 方法。
皮は薪の中で最も湿っている部分なので、ここが 20%以下 であれば、全体として十分乾燥していると判断できます。
さらに皮は柔らかいので、針が刺さりやすく測定もしやすいというメリットもあります。
おすすめの含水率計
私も現場で実際に使っているのがまさに上の写真の含水率計です。
表示が見やすく、操作もシンプルなので初めての方にもおすすめです。薪はもちろん、家具やDIY木材の含水率測定にも使えます。
そのうえ、価格がお手頃です。
この方法を覚えておくと、
「見た目じゃ分からない乾燥具合」を数字で確認できるようになります。
薪ストーブ生活の質をグッと上げてくれる小さな相棒、ぜひ試してみてください。
④まとめ
薪ストーブの性能を最大限に引き出すためには、乾燥薪を使うことが絶対条件です。
含水率が高い薪は、燃えにくく、煙やタールを発生させ、ストーブや煙突の寿命を縮めてしまいます。
「乾燥しているかどうか」は、見た目や感覚では判断が難しいもの。
だからこそ、含水率計で数字を見て判断することが一番確実です。
含水率20%以下の薪を使えば、
燃焼効率が上がり、薪の消費量が減る
煙突の汚れや火災リスクが大幅に低減
炎の温度が安定し、部屋が早く暖まる
といったメリットが得られます。
薪ストーブを長く安全に楽しむために、ぜひ含水率計を取り入れてみてください。
小さな道具ですが、その効果は想像以上です。
それでは今日はこの辺で失礼したいと思います。
どうもありがとうございました。