サンタクロースが入りそうな煙突(チムニー角トップ)

2025年7月31日

サンタクロースが入りそうな煙突(チムニー角トップ)

こんにちは。
代表の佐藤哲郎です。

このホームページを公開してから、NEWSの更新をせねばと考えおりました。
今後、不定期にはなりますが投稿を追加更新しますのでご覧ください。

さて、今回はコラム第一号として『サンタクロースが入りそうな煙突(チムニー)』について綴ります。
ぜひ、最後までご覧くださいね。

サンタクロースが入りそうな煙突の写真

ところで、さっきからサンタクロースが入りそうな煙突って言っているけど、どんなの?
と思われた方のために、写真をご覧いただきましょう。
こちらです。

 

このようなものを見かけたことはないでしょうか?
よく、サンタクロースは煙突から家に入ると言い伝えられていますが、このような煙突をご想像されているのではないでしょうか?

それでは中がどのようになっているか、これから一緒に見てみましょう。
結論から先に申し上げると、サンタさんが入ってくるのは困難極まります笑

角トップを外してみる

一番上の黒くて羽のようなものが付いている箱状のものがありますよね?
これは、角トップと呼ばれるもので、ステンレス製です。塗装前の状態をご覧ください。
ちなみに、この角トップは弊社で製作しました。

なぜこのようなものを取り付けるのか?角トップの主な効能は以下のとおりです。

1. 雨の侵入防止

  • 上部の庇構造(水平に張り出した板状の部分)により、雨水の煙突内への侵入を防ぎます。
  • 雪が積もる地域でも、内部への水分の浸入を防げる構造です。

2. 風による逆流防止(ドラフトの安定化)

  • 横風を受け流す形状のスリット構造により、風による煙突内の気流の乱れ(逆流)を軽減します。

  • 強風時でもドラフト(上昇気流)を安定させ、室内に煙が逆流しにくくなります。

3. 火の粉・煤の飛散防止

  • スリット構造や内部にスパークアレスター(金網など)が組み込まれている場合、火の粉や煤が外に飛び出すのを防止します。

  • 山林地域では火災予防の観点からも重要。

4. 小動物・異物の侵入防止

カラスやリスなどの小動物が煙突内部に侵入するのを防ぎます。

実は、工事の直前まで煙突付近にはたくさんの枝がありました。ある程度は切りましたが、いくらか残っております。
煙突トップの周辺に木や枝があると、風が吹いた時に風圧帯と呼ばれる、風の圧力や流れが大きく変化するエリアが発生します。
角トップを付けることで、これらが大幅に緩和されます。

それでは、角トップを外した状態をご覧いただきましょう。

左側の写真に黄色くてモコモコしたものがありますがこれはロックウールと呼ばれる断熱材です。
右側の写真のように一枚のステンレス板が外気にさらされることになりますが、このまま角トップで蓋をしてしまうと結露が起きて、水がぽたぽたと垂れてしまいます。
これを雨漏りと思ってしまうことがあります。実際には垂れてくるはずのない水が垂れてくるのですから雨漏りと変わらないかもしれませんね。

ですので、上の写真のように角トップ以外に、ロックウールなどの断熱材を敷くための架台が必要になります。
それでは、架台を取り外すとどうなっているか見てみましょう。

こんな感じになっています。
チムニーの中が白いですが、これはケイカル板と呼ばれる不燃材です。
この間に煙突を通します。

ここから、角柱が造作されるまでの過程を一緒に見ていきましょう。

サンタクロースが入りそうな煙突(チムニー)の造作過程

角柱の組立て

既存住宅に角柱を取り付ける場合、角柱に組まれた状態で屋根まで持ち上げるのは、重くて非常に困難です。
ですので、バラされた状態で屋根まで持ち上げ、そこで角柱に組み立てます。
この時、垂直と水平のレベルがしっかり見ながら組み立てます。

雪割の造作

この角柱は重いのですが、屋根の野地板とはビスのみで接続されます。この状態で屋根に雪が積もると角柱に荷重がかかり、最悪の場合ビスが取れて角柱が倒れてしまいます。
これを防ぐために、角柱に雪割と呼ばれるものを造作します。雪割の役割は、屋根に雪が積もっても角柱根本に荷重がかからないことと雨水の浸水を防ぎます。
それでは雪割の造作過程を見てみましょう。

角柱の根元に小さな屋根がある感じですね。
次からは、木材で造作された角柱に外壁を貼る工程を見ていきましょう。

角柱に外壁を貼る

もはや、この角柱は建物の一部となりますので防水シートを貼ってその上に外壁を貼ります。
今回の外壁は板金ですが、窯業系サイディング(レンガのようなもの)の場合もあります。

まず、角柱全体を防水シートで覆い、根元の部分から雨漏りの浸水を防ぐ雨仕舞をガルバリウム鋼板で施します。
その後、防水シートの上から同じくガルバリウム鋼板で覆います。

こうしてサンタクロースが入りそうな煙突が出来上がります。

角柱と角トップの組み合わせは最も堅牢だがコストが高い

ここまでご覧いただきいかがでしたか?とてもサンタクロースが入ってこれるとは思いませんよね?笑
しかし大工さん、板金屋さん、弊社がここまで作り込んだ角柱は煙突プランとしては最高級です。
風の影響がもっとも少なく、且つ雨漏りのリスクが長きに渡って軽減されます。

それと引き換えに、コストがもっとも高くなるのもこのプランです。
この仕様は雪が多い別荘地のお客様に提案することが多いです。

今回のコラムが読者の皆様にとってお役に立てれば幸いです。
それでは今日はこの辺で失礼します。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

 

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